はじめに
60代という人生の円熟期に差し掛かり、多くの方が「自分らしい趣味」や「新しい生きがい」を模索する時期を迎えます。
私自身も50代後半から「古城巡り」「歴史探訪」という趣味に目覚め、毎月全国の城や史跡を旅しています。
この趣味を通じて得られた数々の体験談や心の変化を、現役の60代男性の視点から紹介したいと思います。
60代で始める趣味:なぜ古城巡りなのか?
私が古城巡りを始めた理由は、子育てや仕事が落ち着き、自分の時間を持てるようになったことが大きいです。
年齢を重ねると健康や人間関係にも様々な変化が生まれ、心身ともに新しい刺激が欲しくなります。

そんな時、子供時代の歴史好きが再燃。地元・大阪城を皮切りに、小旅行気分で日本全国の城へと足を伸ばすようになりました。
城めぐりは、健康維持や頭の体操にもなります。特に山城はウォーキング要素が強く、体力づくりにも最適です。
さらに、地域の歴史や文化、地元の方との交流もあり、毎回新しい発見と出会いが待っています。
初めての古城巡り:ドキドキの体験談
初めての城巡りは、友人の勧めで奈良県の高取城へ。

登山道の入口で地元の案内ボランティアの方と出会い、歴史的な解説を受けながら約2時間かけて天守跡まで歩きました。
途中、山道で転倒しそうになった際、親切に手を貸してくださった方とは、頂上で城や戦国時代に関する話で大盛り上がり。見知らぬ者同士が「歴史好き」でつながり、帰り道に近くのお蕎麦屋で一緒に昼食。こうした一期一会こそが城巡りの醍醐味です。
また、初めて「御城印」を手にしたときの感動は忘れられません。城跡の売店で押印された御城印を手に取った瞬間、「自分が歴史とつながった」と実感できました。
日本百名城スタンプラリー:目標が生きがいに変わる
60代からの生きがい作りにうってつけなのが「日本百名城スタンプラリー」です。

城ごとに設置されたスタンプを集めるのが目的ですが、これが意外なほどモチベーションに。
私は週末ごとに新幹線やレンタカーで全国を旅し、スタンプ帳片手に「今日はどこに行こうか」とワクワクしています。
例えば2024年春、熊本城復興の様子を見に行った際、「復興城主」プレートを自分の名前で見つけた時は大変誇らしい気持ちになりました。
休日は大変混雑していましたが、平日はゆっくりと城や展示物を楽しむことができ、特にシニア世代の方には平日訪問をおすすめします。
体調管理と事前準備:60代ならではの注意点
体力に自信がない方も心配ありません。無理のないスケジュール設定と、歩きやすい靴・服装が大切です。

山城の場合は杖やストックを持参したり、こまめな休憩を心がけるようにしています。
スマホアプリ「発見!ニッポン城めぐり」や各城の公式サイトを使えば、最新イベントやアクセス情報も簡単に確認できます。
私は必ず出発前に天気予報と混雑状況を調べ、安全対策も万全にしています。
城下町の歴史探訪:城だけでない楽しみ方
城だけでなく、その周辺の「城下町」で歴史探訪するのも大きな魅力です。
私は城を巡るだけでなく、地元の歴史資料館や博物館、お祭りの展示も必ず立ち寄るようにしています。

尾張の岩崎城で初めて明治・大正時代の町の暮らしの展示に触れ、城の歴史だけでなく地域の文化、昔の交通手段など多角的な視点で「歴史」を楽しむことができました。
また、地元の伝統料理や季節の花、公共交通の特色なども味わえるのが歴史探訪の醍醐味です。私は一度、埼玉県でSLに乗る貴重な体験をしました。
各地の特色ある乗り物や絶景ポイントも、古城巡りの旅を一層充実させてくれます。
知識と実体験を融合する:60代だからこそわかる歴史の深み
私は若い頃から歴史本は好きでしたが、実際に現地を訪れることで「本物の歴史」「生きた知識」を得られます。
例えば、昭和の復興期や大阪万博の話、地元の長老の昔語りなど、現地での交流が歴史に「新しい解釈」を生み出してくれます。

ちょうど昨年、城仲間と一緒に小倉城から高嶺城、津和野城を攻城した際、現地の方から梨をいただいたり、思いがけない親切に助けられたりと、人との触れ合いが思い出に深く残っています。
歴史好きで集まった仲間との友情や、町の人々との会話こそが「60代からの趣味」の本質だと思います。
古城巡りがもたらす心の変化:孤独感の解消と心の活性化
60代以降は仕事や家庭からの孤立を感じることもありますが、城巡りや歴史探訪はそうした心の不安を解消してくれます。

現地で出会った人や同年代の仲間と交流することで、昔話に花が咲き、心が華やぎます。
旅先で偶然話しかけてくれた60代男性が、自慢の資料を見せてくれて盛り上がった時は、本当に心がほっこりしました。
また、多くの城や町ではボランティアガイドや同好会があり、同じ趣味を持つ仲間と情報交換したり、SNSで旅の記録を発信できるのも現代ならでは。
こうした小さな交流が日常に新しい生きがいを与えてくれます。
クリアファイル・御城印集めという新たな趣味

城巡りを重ねるうちに、私は各地の御城印やクリアファイルなどのグッズ集めも大きな楽しみになりました。思い出を形に残すことで、旅の記憶がより鮮明になります。
特に「ぼんてん・まる」という地域限定のクリアファイルには資料を挟んで持ち帰るなど、趣味に実用性も兼ね備えています。
旅の中で起きたトラブルと乗り越え方
もちろん困難もありました。

山城で道に迷ったり、体調を崩しそうになったことも何度か。
熊本城では天守に行くまで坂や階段が多く、帰りは足ががくがくになりましたが、無理せずゆっくり歩くことを心がけ、今では少しずつ体力もついてきました。
旅先で困った時は、地元の人に相談し、親切な言葉や励ましに助けられたことも何度もあります。
60代から始める「歴史探訪」のすすめ
私の体験から言えば、城巡り・歴史探訪は何歳からでも始められる生きがいです。
スマホや交通機関の進化で、情報収集や移動が非常に楽になりました。大阪や名古屋など大都市周辺にも魅力的な城や史跡が豊富です。
人生100年時代、年齢にしばられず、「知的好奇心」と「少しの冒険心」があれば、新たな世界が広がります。
日本百名城のスタンプラリーは目標設定に、地域の人との会話は日常の活力に、資料館や博物館、グッズ集めは知識の深化に――。

私自身、旅を続けることで「まだできることがある」「もっと外に出て関わりたい」といった前向きな気持ちを得ることができました。
おわりに
もし「これから何か始めたい」「新しい生きがいや友人を探したい」と感じている方がいたら、ぜひ歴史探訪や城巡りにチャレンジしてみてください。
歩くことで健康も維持でき、新しい知識・出会いも得られます。
60代からの趣味として、「古城巡り」は最高の生きがいになるはずです。
私自身の体験と、多くの仲間たちの物語が、みなさんの新しい一歩のきっかけとなれば幸いです。
【この記事が、あなたの新しい趣味や生きがい探しの背中を押すことを願っています】
コメント