こんにちは、ブログ「クライシス」のゴンタです。1963年生まれの63歳。大阪市で一人暮らしをしている独身男です。
一人暮らし歴は、数えてみると30年近くになります。20歳で福井市の実家を出て、長野県の白骨温泉の旅館で8か月住みこみのアルバイト。いったん福井に戻ったものの、もう一度家出のように飛び出して、20歳から43歳までの23年間を東京と神奈川で過ごしてきました。43歳で福井に戻り、57歳で大阪へ。
介護の仕事は20年です。福井県の三国町にある特別養護老人ホームで14年、大阪で訪問の介護ヘルパーを6年。2026年3月に退職しました。
じつは、30年以上一人で暮らしてきたのに、家事が得意だと思ったことは一度もありません。仕事ではお年寄りの部屋をテキパキ片づけてきたのに、自分の部屋はほこりだらけ。そんな「紺屋の白袴」のような暮らしを、63歳になってようやく見直しはじめました。この記事は、その数か月間の試行錯誤の記録です。
60代になって掃除と洗濯がつらくなった理由
中腰が5分ともたない
いちばん先に感じたのは、腰です。床のすみを雑巾で拭こうと中腰になると、5分もしないうちに腰がじわっと重くなります。お風呂の床をこすったあと、膝をついて立ち上がるたびに「よいしょ」と声が出るようになりました。
日曜日のまとめ家事ができなくなった
東京で働いていた30代のころは、平日は何もせず、日曜日に洗濯機を2回まわして掃除機をかけ、それでも夕方には飲みに出かける元気がありました。今、同じことをすると、午後はソファで横になったまま動けません。しかも1週間ためると、コンロの油は固まり、排水口には髪の毛がからまって、落とすのに倍の時間がかかります。
時間はあるのに手が動かない
わたしの場合は、退職したら家事なんてすぐ片づくと思っていました。ところが実際は、朝8時にテレビをつけて、気づけばお昼のニュース。流しに茶わんが3日分たまり、洗濯かごがあふれていたこともあります。
一番こたえたのは、退職した翌月の4月のことです。「時間があるんだから全部やろう」と、1時間ほど腰を丸めたまま床をふき続けました。特養では毎年、腰痛防止の研修を受けていたのに、自分の家だとすっかり忘れていたのです。次の朝、布団から起き上がるのに約10分かかりました。このとき、「やる気」に頼る家事はもう続かないと身にしみてわかりました。
掃除は「ついで」と「1日1か所」で続ける
何かのついでに1分だけ
今の掃除の中心は「ついで掃除」です。決めているのは3つだけです。
- 朝、顔を洗ったら、洗面台に飛んだ水を古いタオルでふく
- トイレを使ったら、置いてあるお掃除シートで便座のまわりをひとふき
- やかんのお湯がわくまでの約3分で、コンロのまわりをふく
これは大阪でヘルパーをしていたころに覚えたやり方です。訪問先での掃除は、決められた短い時間の中で終わらせなければなりません。汚れをためないお宅ほど、その時間で台所もトイレも終わる。何十軒ものお宅をまわって、そのちがいを毎日見ていました。
曜日ごとに1か所
時間のかかる掃除は、曜日で場所を分けています。
- 月曜日:玄関のたたきをほうきで掃く
- 火曜日:冷蔵庫の中を見て、古いものを捨てる
- 水曜日:窓のさんのほこりを古い歯ブラシでかき出す
- 木曜日:お風呂の排水口の髪の毛を取る
- 金曜日:台所の流しの排水口を洗う
- 土曜日と日曜日:お休み

最初は、曜日で決めるなんて小学生の当番表みたいだと思っていました。ところが実際にやってみると、「今日は玄関だけ」と決まっているほうが、ずっと腰が上がりやすいのです。1ヶ所なら10分ほどで終わります。体調が悪い日はとばし、火曜日の分を水曜日にずらすこともしょっちゅうですが、それでもだいたい1週間で部屋をひと回りできています。
床の掃除は、柄の長いフローリング用モップと、敷物用の粘着ローラーにまかせています。どちらも立ったまま使えて音がしないので、朝7時過ぎでも気になりません。コードつきの掃除機は、家具のすき間までやりたい月2回だけ出しています。
洗濯は回数と手順を見直す
2日に1回、朝に洗う
1人分の洗濯物は、1日だと下着と靴下とタオル、シャツが1枚くらい。これで洗濯機を回すのはもったいない気がしますし、1週間ためると干す場所が足りません。
わたしの場合は、毎日、3日に1回、と順に試して、2日に1回の朝に落ち着くまで約1か月かかりました。この量だと洗濯かご1つにおさまり、干すのは15分ほど。洗濯機が回っている約40分のあいだに、近所の公園まで30分ウォーキングして帰ってくるのが、今の朝の流れです。
干す準備はイスに座って
洗濯で一番辛かったのは干す作業でした。濡れた洗濯物は思ったより重く、ベランダで腕を上げ下げすると肩が痛みます。そこで次のように変えました。

洗濯ピンチ
- 靴下や下着は、部屋の中でイスに座って、洗濯ピンチが20個ついた角ハンガーにつけてからベランダへ
- シャツは洗濯機から出したらすぐハンガーにかける
- 今の部屋は1階なので、洗濯物は外から見えにくい内側の物干しざおに干す
- 物干しざおを、ひじを曲げたまま届く低い段に移す
これは特養で先輩から教わった方法です。利用者さん約50人分の洗濯物を毎日干していたので、立ったまま1枚ずつでは体がもちません。「座って仕分けてから運べ」と言われ、そのとおりにすると肩の痛みがぐっと減りました。
たたむのも減らしました。特養では毎日のようにタオルを何十枚もたたんでいたので、たたむのは苦ではありません。でも最初は、自分の服もきちんとたたむべきだと思っていたのが、やってみると誰も見ていないのです。今はシャツや上着はハンガーのままクローゼットへ、下着と靴下は引き出しに放りこむだけ。たたむのはタオルだけにして、片づけの時間は約20分から約10分に減りました。
道具と置き場所を見直す
道具は使う場所のそばに
前の部屋では、掃除道具を全部押し入れにしまっていました。ふすまを開けて、手前の段ボールをどかして、やっと取り出せる。それだけで掃除をする気がなくなっていました。
今は使う場所のすぐそばに置いています。洗面台の横には古いタオル、トイレにはお掃除シート、台所の流しの下には台ふきんと小さな洗剤スプレー。手をのばせば届く距離にしてから、ついで掃除を忘れる日がほとんどなくなりました。
掃除道具は6種類だけ
神奈川に住んでいた30代のころのわたしは、ホームセンターで「これは便利そうだ」と思うと、すぐ買ってしまうたちでした。引っ越しのときに押し入れの奥から、使ったことのないカビ取りスプレーや窓用ワイパーが7つも出てきて、自分でもあきれました。
今あるのは、モップ、粘着ローラー、台ふきん、スポンジ、台所用洗剤、お風呂用洗剤の6種類だけ。ほうきや古い歯ブラシ、古いタオルは家にあったものです。実際に減らしてみると、迷う時間がなくなり、詰めかえを買い忘れることも減りました。
体の負担を減らす工夫
介護の研修で習ったことを家でも
特養の研修で何度も言われたのが「腰だけで持ち上げない」です。物を持つときは、ひざを曲げて荷物を体に近づけてから持ち上げます。
家では、次の3つを守っています。洗濯かごは、しゃがんでから体に引き寄せて持つ。低い場所は、高さ30センチほどの踏み台に座ってふく。お風呂の床は柄の長いブラシで、立ったままこする。

腰を守る安全な家事のコツ
最初は、自分は介護で毎日体を使っていたから平気だと思っていました。でも退職して半年もすると、足腰が少しずつ弱っていくのがわかります。そこで、家事の合間にできるかんたんな筋トレも始めました。そのときの記録は「60代男性が家で続けた筋トレ実践記 ―「自分史上最高の健康生活」への挑戦」に書いています。
重いものは軽くしてから
洗濯かごいっぱいのぬれた洗濯物を抱えて、ベランダの段差でつまずきそうになったことがあります。それからは、量が多い日は2回に分けて運んでいます。洗剤も、大きな詰めかえ袋のまま持ち上げず、手のひらサイズの容器に移して使っています。
疲れたら途中でやめる
見守りのサービスは使っていますが、それでも一人暮らしでは、けがをしてもすぐには気づいてもらえません。妹の家から大阪のわたしの部屋までは、敦賀で乗りかえて約2時間半。何かあっても、すぐに来てもらえる距離ではありません。
わたしの場合は、それを考えると無理はできないと思うようになりました。掃除の途中で疲れたらやめて、残りは次の日。完ぺきな部屋より、けがをしないで毎日続けられることを大事にしています。
体験談:引っ越しをきっかけに家事のやり方を変えた
前の部屋は物でいっぱいだった
2026年の8月、わたしは大阪市内の今の部屋に引っ越しました。60代で部屋を借りるのは思った以上に大変で、そのときのことは「60代一人暮らしの部屋探し:年齢を理由に断られないために準備したこと」にまとめています。
前の部屋には、57歳で大阪に来たときの荷物に、6年分の物が積み重なっていました。床には雑誌の束、通販の段ボール、スーパーの紙袋。掃除機をかけるたびにそれをどかすのが面倒で、掃除機を出すのは月に1回あるかないかでした。
ヘルパー時代に見た部屋を思い出した
荷造りをしながら思い出したのは、ヘルパーとして通っていたお年寄りの家です。一人暮らしの方の中には、通路に新聞や袋が積み重なって、つまずきやすくなっているお宅もありました。片づけたい気持ちはあっても体が動かず、物が少しずつ増えていく。その様子を何度も見てきました。
自分の部屋を見回して、「このまま全部運んだら、10年後の自分もああなるかもしれない」とぞっとしました。春から少しずつ物を減らしてきたつもりでしたが、荷造りを始めると、まだたくさん残っていたのです。
そこで、1年以上使っていない物は手放すと決め、約2週間かけて分けました。服は約半分に減らし、雑誌は45リットルのごみ袋4袋分を資源ごみに出しました。
物を減らすうちに、これから先の自分のことも考えるようになりました。引っ越しが落ち着いた8月の終わりには、エンディングノートを書き始めています。その話は「60代一人暮らしの終活:エンディングノートを書き始めた私の記録」に書きました。
新しい部屋で決めた3つのこと
新しい部屋では、最初に3つだけ決めました。
- 床に物を置かない。
- 掃除道具は使う場所のそばに置く。
- 洗濯は二日に一回、朝にする。
はじめの1か月は、前の癖がなかなか抜けませんでした。郵便物をテーブルに積んでしまい、1週間で20通ほどたまったこともあります。それからは、郵便受けから取ってきたその場でチラシを捨てることを、ついで掃除に加えました。
3か月たった今
引っ越して約3か月。朝、洗面台をふき、トイレをひとふきし、モップで床をすべらせる。この3つで10分かかりません。床に何もないので、モップが一度も止まらずに部屋のはしまで進むのが、ちょっとした気持ち良さです。
いちばん変わったのは気分でした。前の部屋では、散らかった床を見るたびにため息が出て、外に出るのもおっくうでした。今は朝起きて部屋を見回しても、いやな気持ちになりません。ウォーキングに出る日も、引っ越し前の週2回ほどから、今は週5回ほどに増えました。
特養にいた頃、利用者さんのベッドまわりを整えると、「すっきりしたね」とほほえんでくれる方がいました。当時は仕事の一つとしてこなしていましたが、63歳になって、あの方の気持ちが少しわかった気がします。
まとめ
わたしが60代の一人暮らしで、掃除と洗濯を続けるためにしている工夫をふり返ります。
掃除は、汚れたその日に1分だけふく「ついで掃除」と、曜日ごとに1か所だけのやり方。洗濯は2日に1回の朝にして、干す準備はイスに座ってすませ、たたむのはタオルだけ。道具は6種類にしぼって使う場所のそばに置き、引っ越しを機に床に物を置かない暮らしに変えました。どれも、特養やヘルパーの現場で教わったこと、見てきたことがもとになっています。
最初は、家事は気合いでやるものだと思っていました。でも実際にやってみると、気合いがいらないくらい小さく分けたほうが、わたしには続きました。人それぞれ体も部屋も違うので、そのまま合うとは限りません。自分に合う形を少しずつ探してみてください。
もし今、家事がしんどいと感じているなら、明日の朝、洗面台を1分だけ拭くところから始めてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント