60代になり、自由な時間ができてこそ気がつくことの一つに、「心の落ち着き」の大切さがあります。
私も、仕事中心の毎日から解放され「さて、これから何を自分の心の支えにしよう?」と悩んだ一人です。不安と戸惑い――でも、だからこそ新しい世界に一歩を踏み出す価値があります。
本記事では、私自身が書道と出会い、心が次第に整っていく過程や、教室での仲間と過ごす日々、『挫折や失敗も楽しさに変わった瞬間』を余すことなく紹介します。
「第二の人生の趣味」を模索中のあなたに、少しでもヒントと勇気を届けられたら――そんな思いで綴っています。
書道を始めたきっかけ

定年を目前に、予想以上の喪失感が心に生まれ、なんとなく落ち着かない毎日。
ふと、前から目に留まっていた街の「書道教室」に“思い切って”飛び込んだことが、私の“第二の人生”の扉を開くきっかけでした。
最初は不安だらけ――「今さら手習いなんて」「うまくやれるのか」と尻込みもありました。
でも、体験レッスンの先生の一言「正解より“自分の思い”を大事に書いてごらん」で一気に気持ちがほぐれたのです。それはまさに、新しい自分の再発見でした。
そのひと筆に自分の気持ちが全て乗る感覚があり、「ああ、これなら何歳からでも始められる」と実感したのを覚えています。
初心者からの一歩:苦労と発見
何事も最初はうまくいかないものです。
筆の持ち方一つに戸惑い、何度もお手本通りにやろうと必死でした。
ですが、「見本と違っても大丈夫、あなたらしくていいね」と先生や仲間が声をかけてくれ、緊張が薄れていきました。
慣れるまで、何枚も失敗し“半紙の山”ができましたが、逆にその数が増えるほど「続けて良かったな」と思うようになりました。
家では、毎晩お風呂あがりに1枚「今日の気持ち」を書く小さな“自分ルーティン”も生まれ、気持ちの整理術としても役立っています。
書道教室での仲間との出会い
週1回、同年代の仲間との再会が楽しみになりました。
書いた文字を見せ合い、「その一画、勢いがあって好きです!」など互いに刺激し合う時間が、何よりリフレッシュに。
作品展に向けて一緒に準備したり、休憩中には趣味や昔の仕事の“武勇伝”に花が咲き、家族以外の“話す相手”ができたことで心がいきいきしました。
初参加の作品展は「観る側」から「発表する側」への大きな転機!人前に出る経験を、勇気に変えるきっかけにもなりました。
書道の健康効果と心への変化

筆を持つだけで、自然に深呼吸が生まれ、脈がゆっくりと落ち着いていくのが分かります。
集中することで“心の雑音”が消え、書き終えた後は清々しい達成感が残ります。
また、手先を使うので脳によい刺激となり、物忘れ防止にも一役買っています。
知識やテクニックだけでなく、生活リズムや気持ちの整え方の面でも「書道」はシニア世代の健康に最適な習慣の一つです。
書道がもたらした生活の変化
孫や家族にちょっとしたお手紙を“筆文字”で送ることが増えました。
「字に気持ちがこもっているね!」と喜ばれ、自分も嬉しくなります。
年賀状や季節のあいさつも、パソコンでは味わえない“あたたかい交流”に変化しました。
教室で覚えた季節の挨拶文を実生活でどんどん活用し、「小さな特技」が日常の楽しみに繋がっています。
作品づくりに挑戦する達成感

初めて「自分の言葉」を筆で表現できた時の喜びは、想像以上の感動でした。
作品展出品や家族へのプレゼントを作る過程で、「次はもっとこうしてみたい」と次の目標も自然とわいてきます。
「一日一善」や「一期一会」など、自分が大切にしたい言葉を堂々と書けるようになり、自己表現の幅が広がりました。
「ご自宅で手軽に色紙アートや季節の一文字チャレンジ」もおすすめです。
書道を続けるコツとモチベーション維持
上手くいかない日は、思い切って「今日は気楽に好きな漢字一文字だけ」「墨をすって香りを楽しむ日」と自分に優しくしています。
先生から教わった“比べない勇気”で、昨日の自分と成長を比べることがひとつの目安に。
SNSや日記で書いた作品を記録しておくと、あとで振り返った時に「成長実感」が湧きます。
「無理しない・続けられるペース」「1日数分だけでも筆を持つ」ことで、楽しく習慣化できます。
書道教室選びのポイント(体験談より)
教室選びは“雰囲気の相性”と“続けやすさ”が最重要。私が実際に感じたポイントをリスト化します。
- 初心者でも通いやすい雰囲気
- 無料体験があると安心
- 指導者が「その人らしさ」を大切にしてくれる
- 発表会や小さな作品展示があると目標維持によい
- 通いやすい立地(天気や移動が負担になりにくい)
実際に数教室を見学し、「先生や仲間の雰囲気が自分に合う」と実感できてから決めて正解でした。
60代からの教室選びこそ、自分が“心地よくいられる場”であることが何より大切です。
体験談総集:私と仲間たちのリアルエピソード
- 孫と一緒に“ひらがな練習”や「好きな動物の一文字」を書いたことで、家族コミュニケーションが深まった
- 作品展を仲間と準備し、みんなで祝いあう喜びができた
- コロナ禍の孤独も、書道のオンライン練習やLINEで作品を送り合うことで乗り越えられた
- 仲間の体験談を聞く機会が多く「自分以外にも悩みや壁がある」と知り、無理せず続けられた一人だけで始めるより、仲間と体験を分かち合える場があるのは本当に心強いです。
書道と人生:これからの展望
書道は“何歳からでもいくらでも深められる趣味”。
体力的に無理なく続き、爽快感や達成感も味わえる――これこそ人生の後半戦にぴったりの“生きがい”だと思います。
「もう遅い」と思わず、「今」からでも楽しめるワクワクを、皆さまにもぜひ味わってほしいです。
私自身、これからも筆を通じて新しい自分と仲間に出会い続けたいと思っています。

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